ここ最近インターネットで話題になっていた「Web 2.0」に関連する書籍2冊を読む機会があったので紹介します。
まずは有名な「ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる」。この本はWEB2.0的企業の代表格と言われている Google がいかにすごいことを考えているかを教えてくれます。これを読むと自分や日本の将来に不安を覚えることでしょう。用語が難しいのでITに明るくない人にはお勧めできませんが、未来に備えて読んでおきたい一冊です。
こちらは「Web2.0 BOOK」。ストレートな名前ですが、ウェブ進化論とは違ってより現実的かつ技術的です。既存のWEBサービスもたくさん紹介してくれるので、WEB2.0的なサービスをいろいろ調べたいという方は読む価値がありそうです。 今、ベンチャーを中心としたIT企業はWeb2.0に夢中です。いかに情報を流用してサービスを展開するか、いかに情報元をにぎるか、いかに他よりも早くサービスするか。他の業界では考えられないほどものすごいスピードで日々進化している様子はまさにドッグイヤーのごとくです。
以前勤めていた会社では「二番煎じでもより良いものであればやる価値がある」と言われたことがありましたが、IT業界でその考えが通用するとは思えません。作ったソフトは誰もがすぐに真似でき、それをさらに安く、あるいは無料で実現してしまうことさえあります。他でやられる前に先にやってしまおうという発想が、こうしたドッグイヤーのスピードを維持しているのです。
IT業界は大変だねー、と思われた方もひょっとしたら他人事ではありません。いきなりですが、あなたのお仕事は他人には簡単に真似できないことでしょうか。人間でないと出来ないことでしょうか。コンピューターやロボットでも出来ることではないでしょうか。
これから道具の価格はどんどん下がり、パソコンもカメラも楽器も、ありとあらゆる道具が安く手軽に使える時代が訪れます。例えばあなたはパソコンで格好良いフォントを使って年賀状を作ったとします。一昔前だったら、プロのイラストレーターがレタリングをして印刷屋さんで印刷しなければならなかった作業が、パソコンとプリンターと年賀状ソフトがあれば出来てしまうのです。こうした「チープ革命」と言われている流れはますます加速しています。
そうなったときにあなたはどうやって明日の生活を維持しますか。これまでは技術や知識がそのまま商売になりましたが、これからは使える、知っているだけではアドバンテージにはならないのです。人が介在できる部分はどんどん人件費の安い国に収束していくことでしょう。
厳しい時代を乗り切る良いアイデアが浮かぶことを願って、今はただひたすらに考えることにします。