映画「桐島、部活やめるってよ」をレンタル。話題になっているのに、どういう映画なのかがよくわからない。ずっと気になっていたのですが、観てみて納得しました。
この映画には主人公がいません。ハイライトはあるのですが、そこだけを切り出して説明しても面白さは伝わりません。つまるところ観るしかないのです。
漫画も小説も映画も、作り手は体育会系というより文化系の人間が比率としては多いわけで、クラスの隅っこにいるような連中に焦点をあてて、爽快なカタルシスを持ってくるものが当然多いのです。もちろん僕自身も隅っこの人間なので、この映画は十分に楽めました。
ところがこの映画がすごいのは、隅っこでない人間にも事情や思惑があるという、ごく当たり前のことを巧妙に描いているところ。話が散漫になるどころか、それが作品の個性となっています。
なので、僕が嫉妬してやまないような、明るく楽しい学生時代を過ごしている方、過ごされた方でも楽しめると思います。ぜひゾンビに喰われちゃってください。