桜井さんのゲームにハマれないのは損でしかないので「新・光神話 パルテナの鏡」で解決しようとしましたが、ダメでした。
ハマりたいのにハマれない
世間では大人気なのにどうもやる気がしない、やってみたけどハマれないゲームってありますよね。自分は桜井政博さんのゲームにハマったことがありません。スマブラはお祭りを遠くから眺めているような気分です。
この状況を打破すべく、桜井さんが手がけた3DS屈指の名作と言われる「新・光神話 パルテナの鏡」を中古で買ってみました。パルテナの鏡は初代のディスクシステム版が好きだったので、これなら楽しめると思ったからです。
結論を申し上げますと、道半ばで挫折。やはりハマれませんでした。
任天堂からの厚遇
3DSを付属の専用スタンドに乗せてアナログスティックとタッチペンをフル活用する、従来のゲームにはないプレイ感となっています。
操作のしづらさを仕様の見直しではなく専用スタンドで解決してしまうあたりに、任天堂における桜井さんの信頼度の高さがうかがえます。ちなみに操作のしづらさはあまり解消してません。
ゲーム中のコレクション要素であるフィギュア集めに使えるARおドールカード。当時は雑誌の付録や食玩にもなりました。なんと2022年の今もパックが販売されています。
プレイ中は高山みなみさんや久川綾さんなど超豪華な声優陣がずっと掛け合いでしゃべっています。これほど贅沢なシューティングゲームは他にはないと思います。
また、プロモーションの一環としてProduction I.G、STUDIO 4°C、シャフトそれぞれがアニメを制作しています。すごすぎますよね。
一番驚いたのは青森のねぶた祭りに山車が出たことです。さすがに意味がわかりません。
3DSの普及を課せられていたとはいえ、これほど厚遇されたゲームは他に知りませんし、それだけの期待にこたえるポテンシャルが本作にあると判断されていたのでしょう。実際に売上は国内で約30万本、世界では100万本を超えたそうです。
楽しめなかった
挫折した理由はシンプルに「楽しめなかった」からです。
ステージは25個以上ありますが、10個まで行っても楽しさがわからず、武器を変えても体感があまり変わらないので、難易度の上昇とともに継続の意欲が削がれてしまいました。
空中戦は見せ方こそ工夫が凝らされていますが、遊び自体は単調。地上戦はそれに意地悪なアスレチックが加わりますが、基本は撃って倒して進むだけ。スターフォックスと課題は同じです。
操作性や視認性は悪いです。2012年のゲームですから近年のゲームと比べるのは酷ですが、タッチペンによる方向転換など、3DSの機能を活かそうとして無理が生じている印象を受けました。
難易度を自分で調整する機能も好きになれませんでした。自ら難易度を下げる行為は楽しい体験ではありませんし、獲得物が減るので進行が楽になるわけではありません。ゲームが上手な人が考えそうな仕様だと思いました。
そしてこれは本作に限らず桜井さんのゲーム全般に感じることですが、モーションのせわしさや派手なエフェクトが苦手です。桜井さんにとっての心地よさは自分にとっては目まぐるしく、全体的に早送りしているように感じます。
桜井ゲームについて思うこと
桜井さんは理詰めでゲームが作れる稀有な方だと思っています。膨大なゲームの知識と、それをコーディネートするセンス、細部にわたる作り込みと調整。小ネタも含めた万全のおもてなし。そして必ずヒット以上を打つんですから、任天堂が信頼するのも納得です。
ゲームは山ほどありますから、桜井さんのゲームにこだわる必要はありませんが、任天堂フリークとして桜井さんのゲームを無視できませんし、みんなが楽しんでいるものを楽しめたほうが人生は楽しいと思うんです。
だから桜井さんの新作が出たら、今度こそハマりたいです。こんな自分でさえハマれるゲームを作ってください、とお願いしたらやっぱり作れてしまうのでしょうか。