書評は読むのも書くのも嫌いなのに、あえてやってみる、そんな気にさせてくれたのがこの本「勝ち続ける意志力」。昨年のAmazon年間ランキングでKindle本新書1位となった一冊です。
ウメハラさんといえば、知る人ぞ知るプロゲーマー。YouTubeで彼のプレイは何度も見たことがありますが、正直なところ、客のリアクションがなければそのすごさもわからない。その程度の知識でこの本を読んでみました。とにかくKindleで何か買ってみたかっただけです。
そして読んでみたら、これが面白い。何が面白いって、彼がずーっと、勝ち続けるための意志を語っているのです。そういう本ですから。でも途中で、どういうわけかゲーマー人生に挫折して、プロ雀士を目指したり、介護の仕事を始めたりするのです。
ぼくは本を読むと3ページ目あたりからウトウトしてくるので、病気かもしれないと心配しているのですが、彼がプロ雀士を目指し始めたあたりから一気に目が冴えましたよ。カイジが麻雀を始めたときはひどくがっかりしたのに不思議ですね。
ところが読み進めていくと、結局は海外の企業からプロゲーマーの誘いを受けて、ゲーマーの道に戻るのです。仕方ないです。そういう本ですから。
この本にはこのように彼の半生がちりばめられてはいるものの、本気で勝ち続けたい人にとっては心の支えになりそうなことも書いてあります。それも良いことがたくさん。紹介したいところですが、残念ながら忘れちゃいました。読んでも大抵はすぐ忘れてしまうんです。病気かもしれません。
ただ、読み終えたあとになんとなく気持ちがポジティブになっていることに気づきました。ぼくは彼とは正反対の腰の引けた人間で、それこそ今までの人生、死ぬ気で頑張ったことなど一度もないし、座右の銘はタモリさんの名台詞「やる気のあるものは去れ」ですから。
そんなぼくでさえ、人生で一度ぐらい死ぬ気になってみたい、という気分になったのです。何事にも真剣に取り組むと、辛さ以上に楽しいことが待っていると、彼は若いうちから知っていたのです。どうです、すごい本でしょう。みなさまも読んでみてください。ぼくよりは影響を受けると思います。