懐かしの名作アドベンチャー「ふぁみこんむかし話 新・鬼ヶ島」をあらためてプレイしたらいろいろと学びがあったので書きました。
新・鬼ヶ島とは
1987年に発売されたコマンド式アドベンチャーゲーム。日本昔話のキャラクターを活かしたユニバース・ストーリーと、親しみのあるビジュアルと文体で人気を博した名作です。
本作を任天堂と共同開発したパックスソフトニカは今はなき会社ですが「ペンギンくんWARS」や「バレーボール」の移植から始まり、新・鬼ヶ島のシステムを使ったシリーズ作や「MOTHER」「モグラ〜ニャ」といったゲームに参画していたようです。
音楽が至高
ゲーム音楽といえばドラクエのすぎやまこういちさんを挙げる人が多いかと思いますが、海外ではマリオやゼルダの音楽でおなじみの近藤浩治さんの方が有名で、自分も大ファンです。
本作のBGMも近藤さんが手がけていますが、あらためて聴くとものすごく良いです!短い小節でなぜこんなに心打たれるのか。本当に天才だと思います。
YouTubeに新日本BGMフィルハーモニー管弦楽団がカバーしているものがあったのでお時間がありましたらぜひ聴いてみてください。
じつは難易度が高い
過去に何度もクリアしたはずなのに、久しぶりにプレイしたらたびたび行き詰まりました。
このゲームは見た目に反して初見殺しが多いです。シーンによってはコマンドを間違っただけで、
あっけなくゲームオーバーになります。こまめにセーブをしていないと章の初めからになってしまいますし、セーブデータがすでに詰んでしまって、章の初めからやり直すこともあります。Switchの「どこでもセーブ」が無かったらくじけていたかも。
何もしないで時間が経過することで話が進む仕掛けもありますが、そのヒントは控えめ。
「いどう」では東西南北を選びますが、マップが無いため位置関係がわからず、しらみつぶしになってしまうこともしばしば。
万人向けの素敵な世界観なのに、レトロゲームならではの難易度のせいで手放しにお勧めできないところが残念です。
手ごたえの発明が必要
一方で、この難易度こそがアドベンチャーゲームにおける手ごたえ、やりがいをもたらしていることも事実です。
あらためてプレイしてみたら、ストーリーがものすごく良く出来ているわけではないんですよね。しかし簡単にクリアできないからこそ、長い時間ともに旅してきたキャラクターたちに感情移入して、クリアしたときには思わず涙ぐんでしまうんです。
最近プレイした「ファミコン探偵倶楽部 笑み男」は上記のような手ごたえを極力排除したゲームになっていましたが、そのせいでゲームとしてのやりがいも失ってしまった印象を受けました。
もしこの新・鬼ヶ島をそのまま現代的にリメイクすると、初見殺しが無くなり、時間仕掛けのヒントが明確になり、「いどう」の不便が解消されて、一瞬で読み終わる絵本になってしまいます。
だからといって、不親切な手ごたえを残したままリメイクすると、現代のプレイヤーは耐えられません。新たな手ごたえ、やりがいを発明する必要があります。
たとえば初見殺しを残すとしても、直前からリトライできるようにして、いろんなゲームオーバーを集めることを実績にしたり、ストーリーを分岐させたり・・・でしょうか。
ちょっと安直ですね。もっと良い方法があるかもしれません。
ファミコン探偵倶楽部の新作、そして「オホーツクに消ゆ」や「かまいたちの夜」のリメイクと、立て続けにアドベンチャーゲーム復活の狼煙が上がった2024年。本作とそのシリーズも素敵なリメイクを期待したいですね。新作でもいいですよ!