深海を探索するアクションアドベンチャー「深世海(しんせかい)」をクリア。クセの強さに戸惑いましたが、気づくと夢中でプレイしていました。
どんなゲーム?
バイオハザードやモンスターハンターでおなじみのカプコンが放った異色作。海中を探索してアイテムを集めながら進めていくアクションゲームです。
個人的にカプコンのゲームは難易度が高いという偏見をもっていますが、本作はありがたいことにイージーモードが用意されています。
水中ならではの浮遊感と、そのシチュエーションを活用したギミックの数々がすばらしく、最後まで飽きることなく楽しめました。クリアまで10時間ぐらいです。
ラストはかなり衝撃的です。自分がもし主人公だったらどちらの結末が良いだろうと考えてしまいました。
こだわりのサウンド
ゲームを始めると「有線イヤホン、又はヘッドホンを着用して水中サウンドをお楽しみ下さい。」と表示されます。そうしてみたら本当に音がリアルで驚きました。音楽も素敵です。
本作はCEDEC AWARDS 2020 サウンド部門優秀賞を受賞。公式ブログにはサウンドへのこだわりが書かれています。これを読んだら深世海をプレイしたくなると思います。文中にある収録現場の動画も必見です。
深世海 Into the Depths 音のちょっとだけ深い話 其ノ壱 音制作 全体編
カプコンが世界に愛されるゲームを出し続けられるのはこのこだわりあってこそなんですね。あらためて信頼できるメーカーだと思いました。
潜水艦がすごい
ゲームを進めていくと潜水艦が登場します。これがすごい発明なんです。
行動範囲を広げる手段であるのはもちろんのこと、酸素回復もできるベースキャンプの役割も備えているため、乗り物以上の存在です。
主人公とつながった酸素ケーブルは長さに限界があるため、場合によっては切り離して先を目指さなければいけないジレンマを生みます。
ドリルを使って攻撃することもできます。たぎりますよね、ドリル。
他にも、障害物にケーブルをつないで引っ張らせたりと、用途のバリエーションに感動しました。1つの要素が複数の役割を果たすゲーム、だいたい良作。(自分調べ)
クセが強い
最初のうちはクセの強いビジュアルや操作に戸惑うと思います。
主人公の役割や目的についても説明がありませんし、アイテムも見た目では用途や効果がわからないものばかりです。
オリジナルフォントを使ったこだわりのインターフェースは世界観を引き立てることには成功していますが、直感的とはお世辞にも言えません。
エヴァンゲリオンの庵野監督もNHKのドキュメンタリーで「謎に包まれたものを喜ぶ人が少なくなってきている」とおっしゃっていましたが、まさに自分も、わからないものを楽しむ元気が昔に比べて無くなっているので、途中まで本作の魅力に気づけませんでした。
買ったからにはクリアしようと続けていたら、いつのまにか先が気になるほど没入していたので作り手の意図通りなんですが、そこに至るまで根気が必要でした。
ゲームが楽しく、雰囲気や演出もすばらしいだけに、このクセの強さが人を遠ざけているとしたらもったいないです。みんな!深世海はおもしろいよ!
プレイすべき良作
大手のカプコンからインディーゲームさながらにこだわりを持ったゲームが登場するのは素敵なことです。今後もこういうゲームを楽しませてもらいたいので、微力ながら紹介しました。
SwitchかApple Arcadeで遊べますのでぜひどうぞ(2021年9月時点)。Switch版はコンスタントにセールしているのでお見逃しなく。
深世海 Into the Depths(Nintendo Switch)
深世海 Into the Depths(Amazon)