ピクミン３デラックスが面白いと感じたのはクリア後でした

ピクミン３デラックスのストーリーをやっとクリアしました。面白さが遠い理由と、どうしたら良かったかを考察しました。

メインストーリーのラストはまさに苦行。謎の生命体に追いかけられながらマルチタスクを遂行していく必要があり、ストレスしか感じませんでした。アイデアはすばらしいけれど、それって楽しいと思ったの？と問いたくなりました。

それでもどうにかクリア。ボリューム的にまだ中盤と思っていたのにエンディングが始まりました。どうりで難しかったわけです。ラストだけ難易度が飛躍している印象を受けました。

果物は66個中30個しかゲットできず、ピクミンは359匹も亡くしてしまいました。

クリア後に世界ランキングで自分の下手さを見せつけられて泣きっ面に蜂です。この時点でピクミンがかなり嫌いになってます。

新たにサイドストーリーが開放されたので、いちおう全てクリアしてからレビューしようと思って憂鬱ながらも挑戦しました。

サイドストーリーはあらかじめ用意されたピクミンでミッションをこなすだけ。行かなくてよいエリアは塞がれていて、扱うキャラクターも２人だけなので、気にすることが少ないおかげで段取りに集中することができました。

最後にようやく「ピクミンって面白い」という気持ちになれました。ポジティブにプレイすると不思議とスコアも良くなります。

面白さを理解しつつも、スコアを極める気持ちは起こりませんでした。なぜなら１プレイ10〜15分もかかるのに、少しでも段取りを誤るとすべてやり直しになるからです。

近年のリトライの快適なゲームに慣れてしまうと、一昔前のゲームは重たく感じてしまいます。

ピクミンはゲームバランスの調整が難しそうだと思いました。操作や段取りに慣れた人と初心者では難易度の体感がぜんぜん違うからです。

加えてピクミン３は前作からの発展としてキャラクターを３人にしたところが問題だと思いました。シリーズのファンに新鮮な驚きを届けるべく、早々に３キャラクターの並行作業を要求するのですが、これが初心者にとって高いハードルとなっています。

３キャラクターをフルに活用したギミックも盛り込まなくてはいけませんから、段取りの難易度も上がります。そこに食糧制限や時間制限、ラストステージでは追われる切迫感が加わるのですから、さすがに苦行と感じてしまいます。

ではそれに見合ったカタルシスがあるのかというとそうでもありません。開発者の意図通りにタスクをこなせば成功、そうでなければ失敗。レールに沿ったプレイ以上のことは起こりません。

ピクミンの配分やプレイヤースキルによってスコアに多少の変動はありますが、最適解はあらかじめ用意されています。乱暴に言うとピクミンは「高負荷な謎解きアドベンチャー」なんです。

サイドストーリーのおかげで謎解きの面白さに気づけましたが、それがなかったらピクミンは二度とプレイしないゲームになるところでした。

自分のようなゲーム下手のピクミン初心者は攻略ヒントだけでは足りません。そんな人を救うためにどうしたらいいか考えてみました。

操作やギミックに慣れるまでは並行作業をする余裕がありませんから、１キャラのステージをもっと用意して欲しいです。シリーズのファンに簡単すぎる！と言われるのであれば、ビギナー向けのサイドストーリーとして用意しても良いと思います。

全ステージ共通で時間制限がありますが、それは要所要所で良いと思います。ときどき負荷がかかるぐらいの方が前向きにできますし、全体に緩急もついて良いと思います。

１回のミスでそれまでのプレイがすべて台無しになってしまうことがあります。そんなときに少し前に戻ってやり直すことができたら下手でも頑張れます。

３キャラクターの並行作業は負荷が強すぎるので、一通りやり遂げた人が挑戦できるステージに限定して良いと思います。

移動とポインターがセットになった操作はストレスがありました。それぞれ独立してほしいです。たとえば移動中に何かボタンを押すとゲームがポーズして、どこに何匹投げるかを指定したら再開すれば、下手でも意図どおりにプレイできると思いました。

ピクミンシリーズはずっと敬遠していましたが、プレイして面白さに気づけて良かったです。いつか４が出たらきっと買います。

今度は物理演算をギミックに加えることで、果物を転がして時間短縮したりとか、そういった開発者の想像を超えた攻略が生まれたりすると、動画映えもして盛り上がりそうです。そんな妄想をするぐらいピクミンが好きになりました。

オリジナルが2013年のゲームとは思えないほどビジュアルが素敵で、ジブリやピクサーの映画みたいに技術が進んでも色あせない魅力を持ったゲームだと思いました。

自分のように食わず嫌いの方はぜひ体験版をプレイしてみてください。