このゲームが名作といわれる理由はわかります。若いときに遊んでいたらそう思えたでしょう。
ナイト・イン・ザ・ウッズはこんなゲーム
会話を主体とした2Dアドベンチャーゲームです。
本作に登場するキャラクターは動物の姿でありながらリアルな人間の感情が描かれており、アメリカのエンターテインメント雑誌・Pasteは、”心の病や抑鬱、中流・下層階級の淀み、そしてゆっくりと終わりを迎えるアメリカの小さな町”を内包したテーマだと述べている。架空の田舎町・ポッサムスプリングスに帰郷し、実家の屋根裏部屋に住まう一人っ子のねこ・メイを中心に物語が展開する。彼女の友人であるたばこを吸っているクロコダイルのビー、とても活発なきつねのグレッグとその彼氏のくまのアンガスをも巻き込み、炭鉱が閉鎖してからここ10年間の町に隠されたおぞましい秘密に立ち向かうことになる。
帰郷したメイをとりまくキャラクターたちの非歓迎ムードが実にリアルです。
CERO15歳以上です。かわいい世界に期待してお子さんとプレイするのはやめましょう。プリキュアとまどか☆マギカぐらい違います。
「成人版ちびまる子ちゃん」という印象を抱いたのは自分だけでしょうか。
心の病をもつメイの絵日記。これも収集要素のひとつになっています。
メイの病を知った上で受け入れている仲間たち。全員いい奴。とくにグレッグ、キミ最高。
エモさもたっぷり
かわいらしいビジュアルとエグい会話の他にエモい演出も魅力としてあげられます。
星座を探して会話をする場面。どれも架空の星座ですが、そのもっともらしい解説に作者の文才を感じます。ローカライズがすごいのかな。
ちなみに本作のローカライズは自分が今までプレイしたゲームの中で最強だと思いました。本当にすばらしいです。
毎晩見る悪夢がちょっとしたアクションゲームになっています。つまらないゲームも夢という設定にしてしまうと許容できてしまうから不思議ですね。
よくわからない神様との会話。全体的に演出は目を見張るものがあります。自分のゲームに足りないのはこういう表現なんですよね。
ストーリー・クエスチョンがうまい
気ままで粗暴なプータロー生活が続くかと思いきや、町はずれで片腕を見つけたところから物語が変化していきます。いったい誰がこんなことを?
町の暗い歴史、怪しいキャラクター、行方不明の友人、メイの妄想など、プレイヤーに疑念を抱かせる要素がたくさんあって、真相が知りたくてプレイが持続しました。
正直なところ、ずっと会話を読まされて眠くなりかけていたんです。
ミニゲームにやる気を削がれる
途中で様々なミニゲームに遭遇します。いずれも会話劇以外のアクセントとして用意されているものですが、コンプリートを目指すなら完璧にやり遂げる必要があるようです。
大荷物を階段で運ぶゲーム。
ピエロギを口に投げ入れるゲーム。
変なオブジェに矢を放つゲーム。
そしてバンド練習は音ゲーです。どれも面白くはないですが退屈しのぎにはなります。しかしひとつだけ猛烈にストレスがたまるゲームがありました。
それは「Demontower」という、メイのパソコンにインストールされているアクションゲームです。プレイヤーがダメージを受けても無敵時間がないため、操作できないまま連撃されてゲームオーバーになります。
Demontowerがきっかけでゲームへの熱意もすっかり冷めてしまいました。なんとなく作り手の悪意を感じてしまったんです。個人の意見なのでファンの方はどうかご容赦ください。
稀有なゲーム
終始ドライな気持ちのままプレイを終えました。そもそも文章を読まされるゲームに昔より耐えられなくなっている気がします。
自分はやっぱりコジラセたゲームより子供も遊べる大衆ゲームが好きですし、そちらの方が大人の作品だと感じるんですよね。
ただこのようなテーマを扱ったゲームは稀有ですし、気づくことも多かったので買って良かったです。結末が気になる方はぜひプレイしてみてください。グレッグは最高。