北米におけるPCゲームの黎明期を綴った書籍「ダンジョンズ&ドリーマーズ ネットゲームコミュニティの誕生」を読んで、オンラインゲームの成り立ちを学ぶとともに、2つの大きな学びを得ました。
どんな本?
「ダンジョンズ&ドリーマーズ」は2004年に出版され、長らく絶版となっていたのを訳者の平松徹さんのご厚意と尽力によりPDFの無償版とカンパウェア版が公開されました。(すでに配布は終了しています)
Dungeons & DragonsというテーブルトークRPGを起点に、Ultimaや家庭用ゲームなどの一人用ゲームが登場し、DOOMなどのネットワークゲームに発展し、オンラインゲームが誕生するまでの過程が淡々と綴られた本で、ゲームの歴史に興味のある人は必読と言える内容でした。
ちなみにこの記事の最初の画像は元祖MMORPG(大規模オンラインRPG)といわれるHabitatの画面です。本で読むまで知らなかったのですが、かわいいので気に入ってしまいました。
学び1:環境が人を育てる
この本に登場する伝説的なプログラマー、クリエイター、プロゲーマーたちは突然そうなったわけではなく、親が理系だったり、コンピューターが身近にあったり、兄弟がゲーマーだったりと、そこに導く環境があったケースがほとんどでした。スポーツや芸術もそうですが、やはり環境が人を育てるんですね。
たしかに自分自身も振り返ってみると、ファミコンだけではなく、叔母の家にPC-98があったり、兄の部屋にMacintoshがあったことが大きく影響している気がします。
学び2:プレイヤーに解放する
MODといって、プレイヤーによるキャラクターやステージ、ゲームルールなどの改造を許す仕組みの誕生も本の中で描かれています。作家の敷いたレールだけで楽しませるのではなく、プレイヤーによるカスタマイズこそがゲームの寿命を伸ばすという考え方です。
オンラインゲーム自体が、テーブルトークRPGの時代から変わらずみんなでルールを作ってみんなで楽しむという考えに基づいていて、その一環にMODもあるといった感じです。
日本人は未だにこういう考えに至りづらいというか、それが当たり前だと思えないところがありますよね。閉鎖的なゲームにも魅力はありますし、どちらが正しいと言うつもりはありませんが、自分は今後のものづくりにこの解放的な考え方を取り入れていきたいなと思いました。
以下の本もあわせて読むと良いと思います。