勤務先で「勇者のくせになまいきだ。」を持っている人がいて、みんなで遊んでみました。これは面白いです!魔王の味方となって、次々と洞窟にのりこんでくる勇者達を、生み出したモンスターでやっつけるゲームです。 このゲームで遊ぶと、魔王の気持ちがすごくわかります。一般的なRPGでは、勇者となって魔王の棲家に攻め入るわけですが、これが魔王の立場からすると、勇者は侵略者にしか見えないのです。放っておけば害はないのに、正義をたてにわざわざ乗り込んできて棲家を荒らしていくのです。逆の立場となって初めて、いかにひどいことをしていたかを学びました。自分の生み出したモンスターが次々とやられてしまう様を見ていると、やるせない気持ちになります。
みんなでこのゲームの良さを考えてみました。自分で洞窟を掘って迷路を作り上げる楽しさや、がんがんと岩を砕いていく爽快感、勇者のリアリティのある行動パターンなどがあげられました。
そして一番の注目点はやはり、次々と生まれるモンスターの生態系です。モンスターはただ生まれるだけではなく、モンスター同士で食べあったりして成長したり、死ぬと土にかえり養分となって、それによってまた別のモンスターが育つなど、食物連鎖が成り立っているのです。わざわざゲーム仕立てにしなくとも、この様子を見ているだけでもかなり楽しいです。アリの巣を眺めているような感覚に近いです。
説明書の最初のページに「ビオトープ」に関する記述がありました。ビオトープから着想してこのゲームが生まれたと知って、妙に納得しました。それほどモンスターの生態系は見ごたえがあります。個人的にもビオトープのようなゲームを作りたいと思っていたのですが、モンスターや魔王、勇者といった世界観に落とし込む発想力は本当にすばらしいと思いました。
DS版を出たら絶対買います。どうぞご検討ください。