映画「タナカヒロシのすべて」を観ました。カツラ工場で働く32歳独身の、平凡に見えて実はかなり奇妙な日常を描いた作品。まさしくこれは日本のフォレストガンプです。 タナカヒロシは夢も希望も趣味もなく、日々を坦々と生きる男。そんな彼にふりかかる地味で不幸な出来事の数々。果たして彼に変化は訪れるのか。
久々に心に残る邦画でした。なんといってもタナカヒロシが良いです。フォレストガンプと同様に、主人公の人生を見て楽しむ映画ですが、ガンプのようなビッグイベンドは一切起こりません。そこがむしろリアルな共感を呼ぶのでしょうか。豪華な俳優陣も見どころです。
選曲も抜群に良かったです。普通の感性であれば場面に適した音楽を選びたくなるものですが、この映画は曲と内容にほとんど関連がありません。とくにクレイジーケンバンドの「シャリマール」はすごいです。エンディングにこの曲を持ってくるセンスはぜひ見習いたいものです。
さて主役を演じた鳥肌実さん、どんな方かとサイトを見てみたらなんだか恐い感じです。劇中の彼と同様、大変謎深いお方です。